昔この辺りは、多くの茶店、旅篭(はたご)があり、愛宕信仰で賑わっておりました。
志んこはその頃より参拝者に親しまれてきた愛宕山の名物です。
米の粉で手造りしただんご(志んこ)はニッキ・お茶・白の三色で愛宕山の
九十九折(つづらおり)の坂道を現しております。
平野屋では、代々女性が志んこを作り続けてまいりました。
志んこのねじれた形は、愛宕神社までの山道を模したもの。一の鳥居のふもとにて、この先のしんどい山道にさぁこれからまたがんばるぞと気合を入れる参詣者のみなさまへ、また参詣帰りのひと休みに、この優しい甘さのお団子を供してきたのです。
ご飯を炊く「竈(かまど)」のことを、京都では「おくどさん」といいます。志んこもおくどさんで蒸しあげて作ります。おくどさんに火を入れ、お湯を沸かすのが女将の朝一番の仕事です。